三冠競走のスケジュール、見直しの時期か?一流調教師たちの見解
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2025年のケンタッキーダービー覇者「ソヴリンティ」が、5月17日にボルチモアで開催される三冠競走第2戦「プリークネスステークス」に出走しないことが発表され、米競馬界では三冠競走のスケジュール再考を求める声が再び高まっている。
現在の三冠競走のスケジュールは以下の通り。第一戦のケンタッキーダービーは毎年5月の第一土曜日にルイビルのチャーチルダウンズ競馬場で開催され、今年は5月3日に行われた。続く第二戦、プリークネスステークスはその2週間後、5月17日にボルチモアのピムリコ競馬場で開催される。2025年はこのレースが150回目の記念開催となる。そして、第三戦のベルモントステークスはさらに3週間後、今年は6月7日にニューヨーク州サラトガスプリングスにあるサラトガ競馬場で開催される。例年はニューヨーク州エルモントのベルモントパークで行われるが、改修工事の影響で今年も別会場での実施となる。
しかし、こうした短期間での連戦は、競走馬や関係者にとって過酷なものであり、三冠達成のハードルを高めているとの指摘がある。実際に、2018年にジャスティファイが三冠を達成して以来、ケンタッキーダービーの勝ち馬7頭のうち4頭がプリークネスステークスへの出走を見送っている。
その例として、2019年に繰り上げでダービーを制したカントリーハウス、2021年にメディナスピリットの失格により勝者となったマンダルーン、2022年のリッチストライク、そして今回のソヴリンティが挙げられる。一方で、2023年の勝ち馬メイジはプリークネスで3着、2024年のミスティックダンは2着と、それぞれ健闘したが、今年はダービー直後の時点で三冠達成の可能性が消えてしまった。
ソヴリンティの71歳のベテラン調教師ビル・モット氏は、プリークネスには出走させず、代わりにベルモントステークスに照準を定めて調整を進めている。今年のベルモントは通常の1.5マイル(約2400m)ではなく、1.25マイル(約2000m)へと距離が短縮されており、これも会場変更に伴う特別対応である。
調教師や関係者の間では、三冠競走の持つ伝統を尊重しつつも、現代の競走馬に適した柔軟なスケジュールへと見直すべきだという意見が増えている。果たして、今後の競馬界は変化に踏み出すのか、注目が集まっている。