歴史に名を刻んだマキロイのマスターズ連覇と、米ツアーで躍動する若き久常涼
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マスターズの90年にも及ぶ長い歴史において、2年連続でグリーンジャケットに袖を通すのは至難の業だ。しかし、ロリー・マキロイが見事にその偉業を成し遂げた。ジャック・ニクラス、ニック・ファルド、タイガー・ウッズに次ぐ、史上4人目の快挙である。
かつてオーガスタで苦杯をなめ続けた日々は、もはや過去のものとなった。とはいえ、今回の勝利は決して平坦な道のりではなかった。
記録的なリードからの暗転、そして劇的な幕切れ
週末を前にして、マキロイはトーナメント記録となる6打差の首位に立っていた。誰もがすんなりと逃げ切るだろうと予想したが、事態はそう簡単には進まない。一時はキャメロン・ヤングにトップの座を明け渡し、サンデーバックナインに入ると今度はジャスティン・ローズがリーダーボードの最上段に躍り出るという、大混戦に陥った。彼がそのまま崩れ落ちて「マスターズ史上最大のリードを守り切れなかった選手」という不名誉な記録を作るのか、それともエリートゴルファーの仲間入りを果たすのか。運命の分かれ道だった。
迎えたアーメンコーナーの12番パー3。ここでマキロイは再び1打差のリードを奪い返していたものの、グリーン手前に口を開けるレイズクリークという、オーガスタで最もプレッシャーのかかるショットと対峙することになる。結果的に、彼はこの日の全選手の中で最もピンに絡む約2メートルの素晴らしいティーショットを放ち、見事にバーディーを奪取した。
最終18番ではティーショットを森に打ち込むヒヤリとする場面もあったが、なんとか踏みとどまり通算12アンダーでフィニッシュ。週末の時点で12打差をつけられていたスコッティ・シェフラーが猛追を見せたものの、わずか1打差でかわして歴史的な連覇を手にしたのである。
ジャスティン・ローズの完全優勝と久常涼の粘り
このマスターズで首位争いを演じた45歳のベテラン、ジャスティン・ローズだが、彼はつい先日の米男子ツアー「ファーマーズインシュアランス・オープン」でも初日から首位を守り切る完全優勝を果たしている。そして、カリフォルニア州のトーリーパインズGCで開催されたその同じ大会で堂々たるプレーを見せ、大きなインパクトを残したのが、ツアー3年目を迎えた日本の久常涼(23=SBSホールディングス)だ。
渋野日向子と同じ岡山・作陽高出身の若武者は、この大舞台で自己最高となる2位タイという素晴らしい成績を収めた。首位と8打差の3位からスタートした最終日。優勝したローズには7打届かなかったものの、最後まで決して諦めない粘り強さが光った。
終盤の16番、17番で連続ボギーを叩き、一時は2位の座から後退してしまう。しかし、最終18番のパー5で意地のバーディーを奪い返し、再び2位タイに浮上して大会を終えた。試合後、久常は「ずっと結果が残っていなかった中で、いいプレーができて良かった」と語りつつ、「最後にしっかり踏ん張って、2位タイでとどまれたのは大きな収穫」と確かな手応えを口にしている。
世界のトップ選手たちがしのぎを削る中、ベテランの意地と若手の飛躍が交錯した非常に見応えのある週末となった。