ゴルフシーズン本格化:トリーパインズの未来とNCAA春季展望
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ゴルフ界が新たなシーズンの幕開けと共に活気づいている。プロツアーでは伝統ある大会が岐路に立たされる一方で、大学ゴルフ界では春のシーズンに向けて強豪校が戦力を整えつつある。今週開催されるPGAツアーの模様と、NCAA(全米大学体育協会)ゴルフの最新展望を併せてレポートする。
トリーパインズに吹き荒れる変化の風
サンディエゴの名門、トリーパインズ・ゴルフコース周辺は、ファーマーズ・インシュランス・オープンの開幕を控え、練習ラウンドを行う選手たちの姿があった。例年、この時期のトリーパインズといえば雨や風、そして霧に見舞われることが多いが、今週の予報は快晴。気温も20度半ばと絶好のコンディションが予想されている。しかし、コース上の穏やかな天候とは対照的に、PGAツアーの舞台裏、そしてこの大会自体の将来には不透明な霧が立ち込めているようだ。
2010年からタイトルスポンサーを務めてきたファーマーズ・インシュランスが、今年限りで契約を終了することが明らかになったからだ。さらに、PGAツアー全体でも日程の縮小が議論されており、一部報道ではメジャー4大会に加え、トーナメント週をわずか22週に絞る案も浮上しているという。
1952年にサンディエゴ・オープンとして始まったこの大会は、半世紀以上にわたり開催されてきた数少ない歴史あるイベントの一つであり、トリーパインズでの開催は今年で59年連続となる。果たしてこの伝統は途絶えてしまうのだろうか。
「聖地」としての絶対的な価値
大会CEOのマーティ・ゴーシッチは、ハワイ開催のイベントなどが存続の危機にあるとされる中で、トリーパインズの未来については楽観的だ。「トリーパインズは単なるコースではなく、象徴的な場所(アイコニック)なのです」と彼は語る。「最高の選手を見たいなら、最高のコースが必要です。全米の視聴者が親しみや繋がりを感じるコース、その筆頭がここなのです」
その自信の裏には、タイガー・ウッズが築き上げた伝説がある。ウッズはこの地で7度の優勝に加え、伝説的な2008年の全米オープン制覇も成し遂げた。もし彼がサンディエゴ近郊で育たず、ジュニア時代にこのコースへの愛着を育んでいなかったら、ゴルフの歴史は変わっていただろう。ジョン・ラームが2021年の全米オープンを制したことも記憶に新しい。
現在、タイガー・ウッズが委員長を務める委員会でツアー改革案が練られていることも、トリーパインズにとっては追い風となるかもしれない。2027年以降のビジョンが明確になるのは3月頃と見られているが、ゴーシッチは「最も過酷で、最も象徴的な場所でプレーする最高峰の選手を見たいという需要がある限り、我々の立ち位置は揺るがない」と自信を見せている。
放送体制の刷新とフィールドの拡大
今年の大会ではメディア面でも新たな動きがある。ESPNが約20年ぶりにメジャー以外のツアー大会を生中継することになり、予選ラウンドの模様を朝から正午まで放送する。
フィールドに目を向けると、LIVゴルフからの復帰初戦となるブルックス・ケプカの参戦が話題だ。彼の復帰に伴い、他のツアーメンバーの出場枠を確保するため、参加人数が144名から147名へと拡大された。ケプカは予選ラウンドで、かつての王者マックス・ホマ、そして昨年同コースで開催されたジェネシス招待を制したルドビグ・アバーグと同組になる。また、ディフェンディングチャンピオンのハリス・イングリッシュは、地元サンディエゴ出身のザンダー・シャウフェレらとプレーする予定だ。
NCAAゴルフ春季展望:ACCの覇権争い
プロツアーが熱戦を繰り広げる一方で、大学ゴルフ界も新学期を迎え、春のシーズンプレビューの時期がやってきた。ここではNCAAのパワー4カンファレンスの一つ、ACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)の男子・女子ゴルフの戦力分析を行い、注目チームや選手、そしてミッドメジャー(中堅カンファレンス)の動向を探っていく。
男子:安定感のバージニアと追う名門たち
4月23日からフロリダ州パナマシティで開催されるチャンピオンシップに向け、現在ランキング1位のバージニア大が頭一つ抜けている。秋のシーズン最後に行われたイーストレイク・カップ決勝での敗戦こそあったものの、ストロークプレーで遅れをとったのはわずか1チームのみという安定感を誇る。絶対的エースのベン・ジェームスに加え、新星マイケル・リーの台頭により、昨春のNCAA決勝進出を支えたメンバーと共に強力な布陣が整った。
対抗馬となるノースカロライナ大は、トップ選手のニール・シールズ・ドネガンをウォーカーカップで欠いた試合以外では堅実な成績を残している。ノートルダム大も見逃せない。ジェイコブ・モドレスキが秋の5試合すべてで8位以内に入る活躍を見せており、1966年以来となる全米大会への切符を掴む可能性は十分にある。
一方、名門デューク大はブライアン・キムが2勝を挙げたものの、チーム全体としては下位選手の底上げが急務だ。また、ジョージア工科大は、長年チームを率いるブルース・ヘプラー監督に初のNCAAタイトルを贈るべく、主力選手の復調が待たれる。昨シーズン「勝率5割規定」に泣いたクレムソン大も、今季は体制を立て直しており、期待の新人ジャクソン・バードの本格稼働がプラス材料となるだろう。
女子:スタンフォードの圧倒的支配
女子戦線では、スタンフォード大が他を圧倒している。ランキング1位に君臨する同校は、メガ・ガネ、アンドレア・レブエルタといったスター選手を擁し、層の厚さは群を抜く。
これを追うのが昨年の覇者ウェイクフォレスト大だ。クロエ・コベレスキーら実力者が揃うが、スタンフォードの牙城を崩すにはさらなる奮起が必要となるだろう。また、ランキング上位につけるノースカロライナ大やデューク大、フロリダ州立大なども虎視眈々と上位をうかがう。特にフロリダ州立大は2019年以来全米大会を逃しておらず、安定した強さを誇る。